眼の病気は悪化することが多く、
早期発見・早期治療が大切です。
お心当たりがございましたら、ご予約の上ご相談下さい。
専門のドクターが
詳しくご説明いたします。
緑内障はどんな病気?
眼には網膜というカメラのフィルムに相当する部分があり、そこで得た情報を脳がコンピューターのように情報解析しています。緑内障はその網膜と脳を結んでいる視神経というケーブルに相当する組織が傷んでしまうため、カメラでは映像を捉えているのにコンピューターにその映像が届かない、という眼の病気です。
ある調査では、緑内障は40歳以上の20人に1人、70歳以上では10人に1人に存在すると言われています。
ケーブルである視神経が傷んでしまうのはいろいろな理由がありますが、最も多い原因は眼圧という眼の中の圧力が高いために視神経に障害が生じるというものです。つまり、緑内障の有無を調べるには、
1)眼圧が高くないか、
2)視神経の形が変化していないか、
3)網膜の捉えた映像をしっかり脳に送れているか、
を調べる必要があります。
どんな症状が出るの?
緑内障は症状を自覚することなく、初期にはその存在に気づかずに進行してしまうことがほとんどです。そのため、人間ドックの眼圧検査や眼底写真検査でその兆候が見つかって眼科を受診される方が多く、自分で初期症状を捉えることはとても難しいです。
どんな検査をするの?
当クリニックでは、眼圧検査を含めた眼科一般検査と、無散瞳眼底カメラ、光干渉断層計や静的視野計という検査機器を用いてそれぞれ視神経の形状や視野変化の有無を調べることで、緑内障の有無・程度を診断しています。もちろん、どの検査も痛みを伴わない検査です。
糖尿病網膜症はどんな病気?
糖尿病は血糖値が上昇することによって、全身に様々な変化を起こします。眼も例外ではありません。血液(流れているお水)の状態が悪いと網膜(カメラのフィルム)にある血管(ホース)が傷んでしまう、そういうイメージの病気です。その結果として、網膜に出血したり、網膜に液性成分が貯まってむくんだりすることで網膜機能が徐々に失われていきます。そして、放置していると網膜が剥がれてしまうことで(網膜剥離)、失明することもあります。また、網膜の中心部(黄斑)にむくみが生じる糖尿病黄斑浮腫という状態になることもあり、見たいところが見えにくいという症状が現れます。そうならないために早期発見・早期治療が必要な病気ですので、糖尿病あるいは耐糖能異常があると言われている方は眼科での検査が必須です。
どんな症状が出るの?
糖尿病網膜症の初めの時期には自分で分かる症状はありません。でも、進行すると下記のような症状が出てきます。
増殖糖尿病網膜症
・見えにくい
・虫や糸くずのようなものが見える
・見えない部分がある
糖尿病黄斑浮腫
・見えにくい
・ものが歪んで見える
・中心部がグレーに見える
どんな検査をするの?
当クリニックでは、無散瞳眼底カメラを用いた眼底検査、光干渉断層計や光干渉断層血管撮影という検査を用いて黄斑浮腫を含めた糖尿病網膜症初期の変化も見逃しません。もちろん、どの検査も痛みを伴わない検査です。
網膜静脈閉塞症はどんな病気?
眼には網膜というカメラのフィルムに相当する部分がありますが、身体の他の部位と同様に動脈と静脈が存在します。高血圧や動脈硬化などの変化がその血管に生じると静脈の血液が流れにくくなったり、詰まってしまったりします。この状態を網膜静脈閉塞症と呼んでいます。静脈の血流がせき止められることで広範囲に出血したり(網膜出血)、網膜の中心にある黄斑部という部分がむくんでしまったりして(黄斑浮腫)、視力低下や視野欠損を引き起こします。
この網膜静脈閉塞症は40歳以上の方の1−2%に生じるとされていて、年齢が高くなると網膜静脈閉塞症が起こる可能性も高くなっていくことが知られています。
どんな症状が出るの?
網膜静脈閉塞症になっても無症状のこともありますが、黄斑部に変化が生じると以下のような症状が出ます。
・見えにくい
・ものが歪んで見える
・視界の一部が暗い・グレーに見える
・見えない部分がある
どんな検査をするの?
当クリニックでは、無散瞳眼底カメラを用いた眼底検査、光干渉断層計や光干渉断層血管撮影という検査を用いて高血圧による眼底変化や網膜静脈閉塞症の所見を見逃しません。
もちろん、どの検査も痛みを伴わない検査です。
網膜剥離はどんな病気?
眼には網膜というカメラのフィルムに相当する部分がありますが、その部分が剥がれてしまう病気です。網膜が剥がれてしまう原因はいろいろなものがありますが、眼科で検査をすることでその原因を特定でき、適切な治療を開始することができます。
さまざまな網膜剥離の中で、網膜に孔(裂孔と言います)ができて網膜が剥がれてしまうものを裂孔原性網膜剥離と呼びます。この裂孔原性網膜剥離は、網膜に裂孔ができたばかりのタイミングであればレーザー治療をすることで網膜剥離を予防できますが、網膜が一度剥がれてしまうと多くの場合は入院手術が必要となります。網膜に裂孔ができる時、あるいはできそうな時には下記のように飛蚊症や光視症などの症状が生じますので、そういう症状がある場合はまずご連絡ください。
どんな症状が出るの?
網膜剥離が生じる前、そして生じてしまうと、以下のような症状が出ます。
・黒い虫のようなものが見える(飛蚊症)
・ピカピカっと光が走って見える(光視症)
・視界の一部が見えない(視野狭窄・視野欠損)
どんな検査をするの?
当クリニックでは、無散瞳眼底カメラを含めて眼底検査を行いますので、網膜剥離が生じる前の変化および初期の変化も見逃しません。
もちろん、どの検査も痛みを伴わない検査です。
ドライアイはどんな病気?
ドライアイは眼の表面にある角膜(黒目)や結膜(白目)が乾燥することで様々な症状を引き起こす病気です。スマートフォン、コンタクトレンズ、アレルギー性結膜炎などで現代人の目は常に乾燥に晒され、ドライアイのリスクがあります。乾くことで眼の表面には細かい傷がついて、知覚過敏と呼ばれる状態になります。また、角膜に傷がつくとかすみ目やゴロゴロ感、さらには疲れ目(眼精疲労)やアレルギー性結膜炎による痒みなどの症状を増悪させます。
近年、ドライアイの原因として涙液の分泌量低下とともに質の低下が注目されています。昨年からリモートワークやweb会議などでパソコンを使用する機会が増えました。パソコン使用中は瞬きの回数が低下しますので涙液の分泌が低下し、また涙液の質が低下することで涙液の蒸発が早まって眼の表面は乾燥しやすくなります。
ドライアイ治療の基本は点眼から開始します。最近目が疲れる、ゴロゴロするなどの症状がおありになる方、パソコンの使用頻度が増えて上記の症状に当てはまる方、まずは眼表面の状態を診察して涙液の量や質を調べることをお勧めします。
眼精疲労はどんな病気?
目が疲れたと感じたり、目の奥がズンと重く感じたり、目が開けていられないような感じがすることはないでしょうか。現代人であれば誰もが経験する症状かもしれません。
例えば遠くの景色を見ているとき、私たちの目は休憩している状態です。逆に本を読む、パソコンの画面を見る、ゲームをするとき、私たちの目は無意識にピントを合わせるために緊張状態になっています。もちろん、長い間緊張状態が続くと目の調節力が低下して、ピントが合いづらくなって冒頭に書いた眼精疲労の症状が出てきます。
昨年はステイホームでパソコンやスマートフォンの使用が増えました。眼精疲労や肩こりなどデジタルデバイスの使用に伴う体調不良を訴える患者さんが増えています。長時間のパソコン作業時には目を休めるなどの対応も必要ですが、調節力の低下や外斜視、ドライアイなど目が疲れやすい原因が隠れていることもあります。最近パソコンの使用頻度が増えて上記の症状に当てはまる方、まずは眼科の診察を受けてその原因を探すことをお勧めします。
眼科一般診療
もちろん、本クリニックでは上記以外の眼疾患についても眼科専門医が全ての領域において診療し、必要であれば北海道大学病院も含めた提携先医療機関との連携診療を行います。眼のことで困ったことがあれば、まず受診をお願いします。