眼科のご案内

眼科について

目がよく見えることは、人生においてとても大切なことです。

自分ではなかなか気付かない目の病気、全身疾患が影響する目の病気、さまざまな目の病気によって見る力が徐々に損なわれてしまうことがあります。でも、その隠れた目の病気を早く見つけて適切な時期に治療すれば、良い視力を保てる場合が多くあります。今、あなたの目に病気が隠れていないかをよく調べておくこと、それは自分へのケアであるとともに周囲の大切な人へのケアでもあります。

当クリニックでは、さまざまな目の病気のエキスパートと連携して、今日私たちができる診察と治療を行なっています。そして、現代の医学では太刀打ちできない目のご病気の方々にも、その時々に応じた見る力をサポートする道具(補装具と言います)を探したり、受けられる社会的サポートを一緒に探したり、その生活上のご苦労にも寄り添っていける、そんな眼科でありたいと思っています。


眼科の検査および設備について


屈折検査と眼圧検査

あなたの目が遠視なのか、近視なのか、そして乱視はあるのか、それを調べる検査が屈折検査です。当クリニックでは、TONOREF III(ニデック社)という機器を使用してその屈折検査をおこなっています。

また、このTONOREF IIIは屈折検査以外に、緑内障を診察する上で大切な眼圧検査もできる機器です。通常、屈折検査と眼圧検査は別々の機器で測定しますから検査ごとに機器の間を移動しなければいけませんが、TONOREF IIIでは同じ椅子に座ったまま二つの検査を短時間で行うことができます。

視力検査

眼鏡やコンタクトレンズを使用せずに測った視力を「裸眼視力」、レンズを使って矯正した視力を「矯正視力」と言いますが、目の病気があるかないかを判断する際は後者の「矯正視力」が大切です。

眼科のもっとも基本的な検査はこの視力検査ですので、できるだけ正確に行う必要がありますが、検査員の技量によるところが大きい検査です。

当クリニックでは、技能教育を受けて経験を積んだ5名の視能訓練士が複数の視力検査表を用いて正確かつ効率的に検査を行なっています。

眼鏡処方検査

眼鏡は、大体2年から3年程度で合わなくなることが多いとされています。

お持ちの眼鏡があっているかどうかは、屈折検査と視力検査、そしてこのオートレンズメーターLM-1800(ニデック社)で確認することができます。

もしもご自身のメガネではよく見えない場合は、目の疲れ(眼精疲労)を予防するためにもお取り替えされることをお勧めします。

当クリニックでは、5名の視能訓練士があなたの目にあった眼鏡処方箋を作成してお渡しするようにしています。

※視能訓練士とは

眼科で視機能の検査や矯正訓練を行う国家資格を持った医療技術者です。

現在、当クリニックでは5名の視能訓練士が勤務しております。

検査の際にわからないことや不安なことがありましたら、いつでも私たちに相談してください。

視能訓練士チーフ 原 菜奈子

視野検査

見る力は、視力と視野という二つの検査で評価されます。

視野というのは、まっすぐ見ていてどのくらいの範囲が見えているか、を意味する言葉です。

眼の病気(緑内障など)や頭の病気(脳梗塞など)によって、視力は正常なのに視野だけが狭くなることがありますので、それらの病気を早く発見するためには視力だけではなく、視野を正確に評価することが大切です。

また、健康診断や人間ドックなどで「緑内障疑い」や「視神経乳頭陥凹拡大」と診断された場合にも、本当に治療が必要なのかを判断するために視野検査を行う必要があります。

当クリニックではハンフリー自動視野計HFAⅢ(カールツァイスメディテック社)を使用して、その視野検査を行なっています。

眼底写真撮影

眼球内部の奥は眼底と呼ばれます。

眼底写真を撮影することで、網膜や視神経などの異常を簡単に把握・記録することができます。

当クリニックでは、無散瞳眼底カメラAFC-330(ニデック社)で眼底写真撮影を行っていますので、散瞳剤(瞳を開く目薬)を使用せずに検査を行うことができます。

光干渉断層計

眼球内部の奥には網膜や脈絡膜、視神経という部分がありますが、光干渉断層計という機器を用いることでその断層写真を撮影できます(眼底三次元解析)。

光干渉断層計は1997年に初めて眼科診療に使われるようになりました。この機器の登場で糖尿病網膜症加齢黄斑変性緑内障、その他の眼疾患を患っている方の網膜や脈絡膜がどのような状態か、とても詳しく調べられるようになりました。

当クリニックでは、網膜の中心部(黄斑部)ともっと広く網膜全体をそれぞれ検査できる2つの光干渉断層計を使用して診療しています。

光干渉断層血管撮影

テクノロジーの進歩によって、光干渉断層計で得られた情報を解析して網膜や脈絡膜にある血管の状態も調べることができるようになりました。

その検査を光干渉断層血管撮影と呼んでいます。

当クリニックでは、加齢黄斑変性糖尿病網膜症網膜静脈閉塞症などで網膜の中心部(黄斑部)に生じる変化を詳しく調べる機器AVANTI AngioVue(Optovue社)と、糖尿病網膜症網膜静脈閉塞症のためにより広範囲に生じる変化を調べる機器OCTS-1(キャノンメドテックサプライ社)の2つの光干渉断層計を導入しています。

この2つの機器によって、これまで造影検査(点滴をして造影剤を静脈注射する)を行なって診断し、治療方針を決定しなければならなかった多くの眼底疾患が、点滴をせず、造影剤によるアナフィラキシーショックを恐れることなく、診療できるようになりました。

当クリニックでは、現在その造影検査を行わず、加齢黄斑変性糖尿病網膜症、その他の多くの眼底疾患を診断し、その治療を行なっています。


治療設備のご案内


抗VEGF製剤硝子体内注射

加齢黄斑変性や糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、近視性脈絡膜新生血管などの疾患は、抗VEGF製剤と呼ばれる薬剤を眼内投与する治療(硝子体内注射)が現在の第一選択となっています。

当クリニックでは、術野の空気清浄を行うエアーバリアーミニという機器を使用して、より安全な環境で硝子体内注射などの治療および処置を行っております。

レーザー(網膜光凝固術)

糖尿病網膜症網膜静脈閉塞症、あるいは網膜剥離の原因となる網膜裂孔に対する処置を行う機器です。

当クリニックでは、インテグラプロスキャンレーザー(エレックス社)を導入してレーザー治療をおこなっております。

インテグラプロスキャンは、従来のレーザー機器よりも短い時間で治療が行え、治療中の痛みも少ないレーザー機器です。

レーザー(後発白内障切開術)

白内障手術をしたのに、また見え方がかすんでくることがあります。

それは、眼内レンズが固定されている袋(水晶体嚢といいます)の奥側が、手術後の変化のためにまたすりガラスのように濁ってしまった場合に生じる症状で、後発白内障と呼びます。

当クリニックでは、YAGレーザー手術装置YC-200(ニデック社)を使用して後発白内障によるそのかすみを治療しています。