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患者負担に対して
2024年3月15日に行われる、ラニビズマブBS硝子体内注射用キット10mg/mL「センジュ」網膜疾患検討会での講演タイトルです。
眼科領域で使用できる抗VEGF製剤の初のバイオ後続品として、ラニビズマブBSが国内における製造販売承認を取得したのが2021年9月です。それから2年半が経過しました。現在の適応疾患は、中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、病的近視における脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、の4疾患となっています。
ラニビズマブBSを当クリニックでも使用するようになってから、バイオ後続品としてのその利点が色々分かってきた気がします。例えば、滲出型加齢黄斑変性や糖尿病黄斑浮腫の患者さんに「多くの場合、抗VEGF療法は導入期としてまず3回必要です」とご説明してその概算費用をお伝えする際、診察室の空気が一瞬変化するのをよく感じていました。でも、ラニビズマブBSの場合は比較的受け入れて頂けやすいように思います。眼底疾患に対する抗VEGF療法は「早期に介入すること」と「初期治療をしっかり行うこと」の2つが大変重要です。もちろん病態に即して各種抗VEGF製剤を使い分ける必要がありますが、ラニビズマブBSを用いることで患者さんの経済的負担が軽減して導入期からしっかりと治療できるようになるならば、それもバイオ後続品の利点の一つだと思うようになりました。
当日は、久しぶりに上司(石田 晋教授)にオーガナイザーの労をお取り頂き、旭川医科大学眼科学講座 長岡泰司教授と秋田大学大学院医学系研究科医学専攻病態制御医学系眼科学講座 岩瀬 剛教授の露払いとして、「患者負担に対して」というタイトルで講演させて頂きます。今から楽しみです。
写真は案内状の内容を一部改変したものです。
登録日:2024年03月11日