院長のブログ詳細
クリニックでのちょっとした出来事やニュースなどを掲載しております。
糖尿病黄斑浮腫の病態と治療 ーこの10年を振り返ってー
2024年5月18日に行われた第73回神戸眼科臨床懇話会での講演タイトルです。糖尿病黄斑浮腫の治療手段としてアイリーア®2mg硝子体内注射液が本邦で導入されてから10年が経過しました。そして、本講演でも取り上げたアイリーア®8mg硝子体内注射液が糖尿病黄斑浮腫と中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性を適応疾患として2024年4月17日に販売されました。
アイリーア®8mg硝子体内注射液は、糖尿病黄斑浮腫に対する硝子体注射の間隔を従来のアイリーア®2mg硝子体内注射液と比較して延長できると報告されています。硝子体注射が頻回になることは、患者さんの身体的、精神的、そして経済的な負担になります。また、医療機関にも行える硝子体注射の数には限界があります。アイリーア®8mgによって糖尿病黄斑浮腫の硝子体注射の間隔が延長されることは患者と医療機関の双方が望んでいたアンメットメディカルニーズだと思います。また、実際の臨床においては光凝固を併用することができますので、臨床試験の結果よりもさらに硝子体注射の間隔を延長し、注射回数を減じることができるかもしれません。今後の実臨床におけるその成果に期待します。
座長の労をお取り頂きました神戸大学大学院医学研究科外科系講座眼科学分野の楠原仙太郎講師に、そして講演の機会を下さった神戸市眼科医会の曽谷 治之会長ならびに神戸市眼科医会の先生方、兵庫県眼科医会の先生方に心より篤く御礼を申し上げます。有難うございました。
登録日:2024年05月29日
